宮本しばにの覚え書き

studio482+店主の日々のことを綴ったブログ

宮島工芸製作所の「特上直角おたま」

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台所には欠かせない道具「お玉」。

土鍋には木のお玉がいいと、あちこち探しましたが、その多くは深さが足りず、汁と具材をしっかり囲ってくれるお玉になかなか出会えませんでした。

 

2,3年前に見つけたお玉がこれ。

広島県の宮島で明治時代から木工製品を製作している「宮島工芸製作所」の「特上直角お玉」です。

 

 

このお玉は「台所にこの道具」(アノニマスタジオ 宮本しばに著)の「木べらとおたま、そして手」P.109でも登場しますよ!

 

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国産のサクラを使い、職人が最後まで丁寧に磨き上げています。

 

木のお玉は当たりがやわらかなので、土鍋や鉄鍋ような道具と相性が良く、持ち手も熱くなりません。

しばらく木のお玉を使ってから、金属製のおたまを使うと重くて硬く、鍋底に当たるとカチンと喧嘩してるようで、使う側の気持ちが沈んでしまいます。

 

この特上直角お玉は、持ち手のカーブが手に馴染んで使いやすく、軽いのでストレスがありません。

 

ちなみにわが家の「おたまはん」はどんどんアメ色になり、今ではこんな感じです。

 

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右:新品 左:2年半ほど使い込んだもの

 

 

頭は丸ではなく、楕円形です。

この形には意味があるのです。

楕円の方が、汁を器に入れる時にこぼれにくいのです。

そして、最後まで汁をすくえるのも楕円ならでは。

また、穴が空いているので吊って保管できます。こうするとカビもつきにくく、すぐ乾きます。

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楕円形がポイント

 

木の年輪でデザインが違います。

また、磨いたあとのような箇所がありますが、これは手仕事のあと。キズや失敗ではありませんので、ご安心を。

 

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お玉は選べませんけれど、出会ったところが我が人生で、届いたお玉を我が子としてお迎えくださいませっ。

 

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酸辣湯焼きそば(「台所にこの道具」から)

おいしい料理は道具から。