アノニマスタジオ・連載コラム「宮本しばにの素描料理・第2回」
素描料理。
今年9月、アノニマ・スタジオのコラムがスタートしてから、この言葉を考える日々が続いている。言い出しっぺの私が、その定義をちゃんと伝えられないのはやっぱり歯がゆい....。けれど、コラムを書きながら心を定めていきたいというのが本音だから、大いに悩み、その胸の内を明かしていきたいと思う。
素描とはデッサンのこと。
鉛筆で描く下絵のことだけれど、その色のついていないデッサン画は、静かで、自由で、シンプルな美しさがあると思うのだ。
料理も同じ。
飾らない。複雑にしない。台所仕事全体を観ていく。
そんな心持ちで素描料理をする。
「素描料理を作る」じゃなくて「素描料理する」。
この意味の違いって大きいな。
最近、加賀れんこんで作る「蓮根つみれ」が好き。
揚げてもいいし、焼いてもおいしい。
レシピを見ないでいいし、
難しく考えない。
こういうことも素描料理の定義かなと思う。
冬の我が家にはこの「蓮根つみれの中華鍋」は欠かせない。