「薬味寄せ」の細やかな仕事
台所はさまざまな道具を使って、今日の一皿を作る場所です。
手を動かし、食材と向き合い、ひたすら日々の食事のために働く。
だから、一緒に働く道具たちはとても大事です。どんなに小さな道具も、なくてはならないメンバーなのです。
その中で細やかに気配りをしてくれるが「薬味寄せ」。
おろし歯に引っかかった生姜や、
すり鉢のすり目に挟まった胡麻のおいしいところを、
ちゃっちゃと、かんたんに取ってくれます。
この道具が作られているのは奈良県生駒市。伝統産業のひとつである竹製品「茶筅」が元の姿です。
茶筅というのは、人の手によってひとつひとつ丁寧に作られるものですが、ときには製品にはならないものもあります。
1本の筅が折れてしまったり、形が少し悪かったり。
そんな、高品質だけれど茶筅としては使えない、いわば「はみ出しもの」を、台所道具を扱う老舗「木屋」が「薬味寄せ」として仕立て直しました。
素材は教室な竹を使っています。筅が実に美しいですね。
職人が、丹精込めて作り上げました。
薬味寄せの保管は吊っておくのがベスト。
乾きやすく、カビも生えません。
赤い組紐がおしゃれですね。キュートなのに、大人の装い。
この道具が大切だということを伝えるために、白い包み紙に楚々と入っています。
ちょっとしたプレゼントにもいいですね。
すり鉢やおろし金の相棒として、台所で役に立つ小道具です。