宮本しばにの覚え書き

studio482+店主の日々のことを綴ったブログ

土鍋の仕事

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伊賀焼の窯元「土楽」の土鍋は、煮炊きはもちろん、炒める、焼く、蒸す、オーブン使用が出来る特徴を持っています(揚げ物は不可)。

 伊賀の土を使った純粋な土物は、その特質を生かし、油を使った料理が可能になります。これが他の土鍋と違うところ。ですから「鍋」として和洋折衷、様々な料理に使うことができます。

 土楽窯では型は使わず、すべてろくろを回し、ひとつひとつ手で製作されています。また、縁や取っ手の部分は中が空洞になっています。これは重さを軽くするための見えない工夫。一年を通して土鍋を使ってもらうために、軽く使いやすい形状になっているのです。

 土鍋の底に細かい(時には大きな)ヒビが入ります。ここが重要!

ヒビは素地と釉薬の収縮率の違いで起こるもので「貫入」と言います。土物を焼成したときにできるもので、細かいヒビと気泡が混入します。この貫入が伊賀焼の特徴です。

土鍋、羽釜を使っていくと、その貫入の働きにより、表面にもヒビが入っていきます。何度も使っていくうちに土鍋は慣れていき、どんどん使いやすくなります。火を入れる時に膨張し、冷めると収縮する土鍋を調節してくれるのが貫入なのです。

土鍋、羽釜はどんどん使いやすくなり、料理の味もよくなっていきます。

 

新しい鍋はまずごはんのデンプンで、土鍋の貫入や気泡を埋める必要があります。

ご使用いただくときの水漏れを防ぐためですから、使用前は必ず「おかゆ炊き」をして、目止めをしてください。

 

《お粥の炊き方 》

1.  土鍋・羽釜の容量の7〜8分目まで熱湯をいれ、お米一握り、またはごはん1/2カップほど入れて火にかけます。 最初から弱火のままで沸騰させます。(グラグラとお湯が沸騰するわけではないので、フツフツをしてきたら沸騰した状態としてください。)

2.  沸騰後、1、2度かき混ぜながら1時間ほど炊き、火を止めます。 ごはんがのり状態になったらOK。そのまま48時間放置し、お粥を捨てて土鍋を洗い、完全に乾かします。

さぁ、これで準備完了

 この土鍋は「揚げる」以外はどんな調理もできます。

煮る

炒める

焼く

蒸す

炊く

オーブン

土楽の土鍋は油を使って調理できるので、油で炒めたり、焼くことができるのです。

だたし、強火でジャッと短時間炒めて調理するときはフライパンの方良い働きをしてくれます。

 

土鍋が得意なのは...

たとえば野菜を炒めて、他の食材を入れて煮込むとか → カレーやシチューなど。 

薬味野菜を炒めてから他の材料を入れて軽く火を入れる → 麻婆豆腐など。

 

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麻婆豆腐など中華料理にもお使いいただけます。(画像は片手土鍋)

 

 

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丸網を入れて、下に熱湯を注ぎ、食材を入れて蒸す、そんなことも得意です。

シュウマイや蒸し餃子など、そのまま食卓に出して、熱々をいただけます。

 

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チーズスフレ

 

オーブン料理だって簡単です。

コンロで火を入れた料理をそのままオーブンへ入れれば、あとは勝手に調理してくれる。私はよくスフレを作ります。簡単だから作れる料理です。

 

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土鍋は生き物です。

末永くお使いいただくために、使用するときの注意点を記しておきます。

 

使用の際の注意点

1.  鍋底が濡れたまま火にかけない。 ひび割れの原因になります。

  

2.  調理するときは火加減に注意する。

強火は❌。 目安としては、鍋底の釉薬がかかっているところまで火が入ると強すぎです。 (尺サイズや羽釜8寸ぐらいの大きいサイズはもう少し強めでも大丈夫です。) 

 

3.  急激に温度を上げると割れる原因になる。

特に冬の取り扱いに注意してください。氷点下の場所から火をつけて、すぐに中火まで上げてしまうと、ひび割れや水漏れの原因になることがあります。

 

4.  土鍋・羽釜は最初が肝心! 

土鍋の使い始めは必ず弱火で数分温めてから、徐々に火を強くします。 10回ほど使い、土鍋が火に慣れてきたら弱めの中火からスタート。なるべくゆっくり温度を上げてください。 

炒め物など、油を使う料理の場合も、10回ほど普通に鍋料理や煮物など煮炊きに使ってから油を使う調理をしてください。 

なお、天ぷらなど揚げ物料理には向きません。

 

5.  使用後は冷ましてから洗う。

高温になった土鍋・羽釜を冷水で流すのは禁物です。ひび割れの原因になります。 

 

6.  使い終わったら完全に乾かす。

完全に乾かさずに収納すると、カビや変色の原因になります。そして収納するときは通気性の良い場所に置く。

 

こんなときはどうする?

ー使っているうちにひびが入ったー

ひびは土鍋が育ってきた証拠なので問題ありません。ひびが土鍋の収縮を調節してくれるのです。 

 

ーひびから水分が漏れるようになったー

ひびから水漏れするようになったときは「お粥炊き」をもう一度行ってください。半年に1度ぐらいお粥炊きをするとひびが安定してし、長持ちします。

 

ー鍋底が焦げてしまったー

土鍋をぬるま湯につけてふやかし、固めのスポンジで釉薬を剥がさないように注意しながらこすりながら洗います。焦げがひどい場合は熱湯を注ぎ、弱火で煮ると良いでしょう。

 

ー油の匂いがついたー

土鍋は水分を吸収しやすいので、油を多く使っていると、油の匂いなどがついてしまうときがあります。その場合は熱湯を8分目ほど入れ、茶がらをひとつかみ入れて10分ほど煮立てます。 新しい土鍋は5〜6回ほど煮炊きに使い、それから油を使う料理をすると匂いがつきにくくなります。

 

片手土鍋6,7寸

羽釜5,6,7,8寸

土鍋ORIBEさん8,9寸

万年青尺サイズ

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